こんな症状でお悩みの方はご相談ください
うつ病は、精神的・身体的ストレスなど様々な理由から、脳の機能障がいが起きている状態です。脳の働きがうまくいかないため、物事のとらえ方や考え方が否定的・悲観的になり、自分がダメな人間だと感じるようになります。そのため、通常なら乗り越えられるストレスもよりつらく感じてしまい、悪循環となっていきます。
日本では、うつ病・双極性障がいの診断を受けておられる方が100万人を超えており、自死、長期休務・休学、就労・就学能力の低下誘因となるなど、ご本人と周囲の人々に大きな苦しみを引き起こしています。
また、うつ病・双極性障がいは、心循環系疾患、糖尿病、がんなど身体の病気や、妊産婦の方々で多く発症される傾向があります。高齢者では認知症との鑑別がとても重要となります。
まずは患者さんご本人やご家族など身近な方々が、できるだけ病気に関する正しい知識を得ることが基本です(例えば、「病気ではなく怠けである」などの誤った考えを修正)。
うつ病ではうつ病相が、双極性障がいではうつ病相と躁病相(と軽躁病相)が生じます(具体的な診断は、DSM-5、ICD-10という診断基準に依ります)。
うつ病は、一般的に抗うつ薬や気分安定薬、抗精神病薬などによる治療が行われますが、薬物療法がすべてというわけではなく、主治医と相談しながら治療を受けることが重要です。近年では、薬による治療とあわせ、認知行動療法にも高い効果があることが分かってきています。うつ病は治療を早めに始めるほど回復も早いといわれており、無理をせず、できるだけ早めに当院へご相談いただき、適切な治療を受けて休養をとることが大切です。また、病気の影響により、自死の危険性や日常生活への支障の程度が著しく高い場合には、入院による治療を選択することがあります。
発達障がいとは、生まれつき脳の発達・機能が多くの人と異なるために、社会生活や日常生活が困難になる障がいのことです。発達障がいは見た目では分かりにくく、本人の努力不足や親のしつけの問題などと誤解されることも少なくありません。
発達障がいには、知的能力障がい(知的障がい)、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、チック症群、発達性協調運動症、情動運動症などが含まれます(DSM-5)。
症状は幼児のうちから現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。本人や家族・周囲の人が発達障がいの特性をよく理解し、その人にあった日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することができれば、本来持っている力をいかすことができるようになります。
当院では、下記のようなプログラムにより発達障がいの的確な診療に努めています。
治療においては、多職種によるチーム医療でサポートします。
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう(統合する機能が失調する)病気です。
そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。
統合失調症は青年期に発症し、約120人に1人が罹患する精神疾患です。発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、統合失調症になりやすい要因をいくつかもっている人が、仕事や人間関係のストレス、就職や結婚など人生の転機で感じる緊張などがきっかけとなり、発症するのではないかと考えられています。
統合失調症に関しては、新しい薬や治療法の開発が進んだことにより、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになっています。しかし、お薬(抗精神病薬)をきちんと服用しても症状が良くならない場合があり、これを「反応性不良」といいます。
また、副作用が原因で必要な量のお薬で治療ができず、病状が良くならない場合もあり、これを「耐容性不良」といいます。この「反応性不良」と「耐容性不良」をまとめて「治療抵抗性」といいます。
病気の発症に先立って(前駆期)、落ち着きのなさ、抑うつ、不安、集中困難、自信欠如、エネルギーの欠如や緩慢さ、仕事能率の低下、社会的引きこもりなどがみられることが多いと言われています。
病気が発症すると、非常に多彩で特徴的な症状が出現しますが、全ての患者さんが同じ症状をあらわす訳ではありません。症状例としては、幻聴、妄想、自我障がい(自分の考えや行動が自分のものであるという意識が障がい)、連合弛緩(会話の文脈がまとまらず、筋が通らない、自発性減退)などがあります。慢性期では、自発性が減退したり、感情が鈍くなるといった陰性症状が主体となる方が多くなります。
自分が病気であることを受け入れること(病識の獲得)が難しい場合が多く、患者さん本人だけでなく、周囲の方々が正しい知識と理解を得ることから治療が始まります。その上で、薬物療法と作業療法(OT)や社会生活技能訓練(SST)などの心理社会的療法を組み合わせた治療を長期にわたって続けて行くことになります。
正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響がみられる病気を「認知症」といいます。初期は「加齢による物忘れ」と思えるかもしれませんが、憂うつ、外出がいやになる、気力がなくなる、被害妄想がある、話が通じなくなる、外出時に迷子になる、お金の計算ができなくなるなどといったサインが出てきたときは、当院にご相談ください。
認知症のおよそ半数は「アルツハイマー型認知症」です。2番目に多いのが「レビー小体型認知症」、3番目が「血管性認知症」で、これらは「三大認知症」といわれ、全体の約85%を占めています。
現在の日本では、高齢人口の増大により500万人以上の方が罹患していると予想されています。
もの忘れには、正常なものと認知症をうたがえるものがあります。正常なもの忘れと認知症によるもの忘れの違いの区別ができればよいのですが、現実にはなかなか難しいものです。これが全てではありませんが、認知症に気づくためには、次のような目安が役立ちます。
薬物療法(抗認知症薬)と非薬物療法(様々なリハビリテーション)が行われます。
食行動を中心に様々な問題があらわれる病気が摂食障がいです。体重や体型の感じ方が障がいされ、明らかにやせていても異常と感じられなくなる「神経性やせ症」、食のコントロールができなくなり、頻繁に過食をしてしまう「神経性過食症」のほか、「過食性障がい」などがあります。
摂食障がいは生活の質を悪くしてしまう心の病気で、長期間にわたって苦しんで
いる方が少なくありません。しかし、根気強く治療を続けることができれば、
摂食障がいを治すことができます。
医師・看護師・管理栄養士が連携して個々の患者さんに合わせた様々な治療を行っています。