当院は、約10年の期間をかけて、脱施設化による地域移行の推進と、急性期型の病院へのステップアップを目指して様々な改革に取り組んで参りました。
そのひとつが、従来の医師・看護師中心の医療から、精神保健福祉士や作業療法士、臨床心理士などの専門職がそれぞれの専門性を持ち寄り、一人ひとりの患者さんのリカバリーをチームで支援する医療への転換でした。その実現のため、平成24年4月の組織改編時に、医療福祉相談室、社会復帰支援室、地域医療連携室、地域移行推進室から構成される「これからの暮らし支援部」を設置しました。
様々な要因により、長期に入院を余儀なくされていた方も、新たに精神疾患に罹患され当院に入院された方も含め、全ての患者さんの”これからの暮らし”を支援するという目的のため、様々な専門職が力を合わせて良質な医療を提供しています。
日常生活や社会・学校への復帰をめざしている患者さんを支援をする「これからの暮らし支援部」は、それぞれの患者さんの症状や目的に合わせて、以下の4つのチームから構成されています。
地域の様々なところからご相談を承ります。
お悩みを抱えていらっしゃる方、または関係機関の方、お気軽にご相談ください。
当院に初めてお問い合わせいただく方には、地域医療連携室がご相談窓口として対応いたします。気になることがございましたら、何でもご相談ください。
入院されている患者さんやご家族、関係機関の方々のご相談の対応や、早期の退院と安定した地域定着に向けて、支援をしています。
長期に渡り入院されている患者さんを対象に、退院、そして日常生活が送れるようになるまでを、万全の体制で根気よく支援してまいります。
入院案内ページへ精神科デイケア・デイナイトケアの運営や、ハローワークと連携した就労支援などの、社会復帰に取り組んでいます。
これからの暮らし支援部は、患者さんが必要とする様々な支援を、それぞれの専門分野のスタッフが、病院内外の施設や機関と連携を取りながら、患者さんが少しでも早く日常生活や社会に復帰できるよう努めてまいります。
(人)
地域医療 連携室 |
医療福祉 相談室 |
地域移行 推進室 |
社会復帰 支援室 |
合計 | |
---|---|---|---|---|---|
看護師 | 2 | 10 | 12 | ||
保健師 | 1 | 1 | |||
看護助手 | 3 | 3 | |||
精神保健福祉士(PSW) | 4 | 15 | 1 | 8 | 28 |
作業療法士 | 5 | 5 | |||
臨床心理士 | 3 | 3 | |||
管理栄養士 | 0 | 0 | |||
養護教諭 | 1 | 1 | |||
事務員 | 2 | 2 | |||
合計 | 8 | 17 | 1 | 29 | 55 |
地域で暮らす方が安心して生活ができ、生活のしづらさ等が生じた場合などは早急な支援体制が整えられるよう、毎週多職種で情報共有を行っています。
医療福祉相談室では、主に入院されている方・ご家族・関係機関のご相談に対応し、早期の退院と安定した地域定着に向け、様々な支援を行っています。
詳しい支援内容は、医療福祉相談をご覧ください。
医療福祉相談室へ地域移行推進室では、長期入院されている方について、病棟担当相談員などと協働で地域への退院を支援しています。2008年6月の開設以来、2018年までの約10年で、5年を超える長期入院の方は195名から69名に減少しています。
今後も、長期療養となっている方々の地域生活移行を支援していきます。
社会復帰支援室では、精神科デイケア大規模(ショートケア含む)70名と、デイナイトケア大規模70名・医療観察精神科デイケア(ショートケア含む)・デイナイトケア大規模として登録し、運営しています。
当院のデイケアの歴史は、開院した昭和48年に院長の友人の外部講師による絵画・陶芸・革細工・書道といった日中活動としてはじまり、小規模デイケアが診療報酬化された1988年(昭和63年)に開設しています。
利用者数は、地域移行の促進もあり、この10年で約3.5倍以上・平均80名/日となっています。スタッフも10倍の30名となり、多職種チームで運営しています。近年は、うつ病リワークプログラムやハローワークと連携した就労支援にも取り組んでいます。